2013年、スーパー耐久レース開幕戦はまさかの積雪により中止。
第2戦は韓国での開催のためKRPは不参加。
7月の第3戦にしてようやくKRPにとっての開幕戦となった茂木ラウンド。
ドライバーラインナップは昨年同様、Aドライバー小林、Bドライバー関。
今回のCドライバーはラジオなどで活躍されているピストン西沢を向かえレースに挑む。
7月20日。
午前中に1時間の練習走行があり
昨日初めてKRPのマシンに乗ったピストン西沢が周回を重ねる。
30分を経過したところでピット作業の練習も兼ねピットイン。
ドライバーは関に交代。
残り時間8分となったところで赤旗となりセッションは終了。
トップタイムはNo93、No58は2番手で練習走行を終えた。
Aドライバー予選。
小林はアタックラップの1周目、2周目ともにトラフィックにかかりアタックができない。
3周目も満足いくアタックはできなかったようだが2'11.577とこれがベストラップになり3番手タイム。
Bドライバー予選。
関はトラフィックにかかることなくアタックができ2'10.637で2番手タイム。
決勝レースのグリッドは2番手となった。
Cドライバー予選。
ピストン西沢は無難にアタックを決め2'11.029とCドライバークラストップタイムを記録。
7月21日。
朝のフリー走行は燃料満タンで決勝を想定しての走行。
途中、タイヤ交換の練習も行いフリー走行は8番手となる。
決勝レース。
5時間の長い戦いが始まる。
スタートドライバーは関が担当。
スタートでの混乱はなく2番手をキープ。
2周目に関はNo95を捉えクラストップを走行。
6周目にGTクラスのマシンがクラッシュしSCが入る。
ピットインするマシンもありチーム内でもピットインするか否か騒然となる。
しかし、5時間という長いレースの序盤でありNo58はそのまま走行することに。
20周を過ぎた時点で関は2番手のマシンに約10秒の差をつける。
関のペースは14秒台で安定し2位との差をじりじりと広げ30周目には約16秒差をつける。
40周目に1回目のピットイン。
ドライバーは小林に交代し素早いピット作業でマシンを送り出す。
ピットアウトし44周目の順位はNo41,No58,No95,No48,No13となる。
小林はマシンを労わりながらも14秒台といいペースで走行する。
70周目の順位はNo58,No41,No95,No48,No73。
80周目にルーティン2回目のピットイン。
ドライバーはピストン西沢に交代するが、ここで少しタイヤ交換に手間取りタイムロス。
ピットアウトし戻った順位は3番手。
2位のNo95との差は約5秒。
ピストン西沢は約10周で2位との差を1秒まで縮めオーバーテイクもできそうだったが
No95はピットに入りNo58は2位へ浮上。
98周目の順位はNo41,No58,No48,No95,No86。
トップとの差は約40秒。
No41は、序盤のSC時ピットを済ませておりその時のマージンがタイム差に出ている。
レースはスタートから4時間が経過。
まもなく最後のピットストップを迎えようとしたところでピストン西沢から無線が入る。
タイヤのライフがまだ残っているようでタイヤ交換なしで燃料給油のみで行く戦が立てられていた。
トップのNo41がピットに先に入る。燃料補給のみでタイヤは交換なしの作戦のようだ。
トップ差約30秒!No58はタイヤ交換してプッシュすれば、届くか?!
ここで勝負の作戦が立てられた。「うちは、給油なしでマシンを軽い状態にしタイヤ交換でプッシュしよう」と。
すぐに竹佐レースエンジニアに確認が取られた。ガソリンはゴールまで持つかどうか。
答えは、「いける!」
作戦決定でドライバー交代の時間にタイヤは交換し燃料は入れないでプッシュすることに。
112周目に最後のピットイン。
ドライバーは関に交代し、予定していた通り給油はせずに敏速にタイヤ交換が行われ
すばやくピットアウトして行った。
順位はNo41,No58,No95,No48,No86。
トップとの差は34秒。
しかし、関は11秒から12秒台とチームの期待通り驚異的なハイペースで走行し
約5周でトップとの差を21秒まで縮める。
122周目での差は15秒、のこり時間は20分。
毎週差は縮まりピットでは歓声が沸く。
残り時間10分で差は8秒。
残り5分で差は1.3秒。
ラスト2周を切ったところで完全にロックオン!!真後ろに付けた。
ストレートをテールトゥーノーズで駆け抜けていく。
そのまま、1コーナーで並びかけ、ついに2コーナーでトップに躍り出た。
あと1周、ガソリンの残量が心配だ。ここで止まってしまってはすべてが水の泡。
ピットでは竹佐レースエンジニアが祈るようにモニターを見つめる。
ついに決勝レースは5時間が経過しチェッカーフラッグが用意され
58号車は念願のチェッカーをトップで受けた。
KRPにとって初優勝となった茂木ラウンド。
再車検でのガソリン残量はわずか1リッターとぎりぎりの竹佐レースエンジニアの燃費計算
ピットレーンからくる情報とそれを総合的に判断して最後のスティントで勝負に出て
それを確実なピット作業で送り出す、チームの総合力で勝ち取った。
次戦は富士。
決勝レースは7時間の長丁場。
さらに過酷な戦いが予想されるが全力で望みたい。
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